朝、駅へ向かう途中、駅前の広場でカップラーメンを食べている女の子がいた。
視線に映ったその容姿は20代前半くらいでギャルっぽさが多少残っている感じで
出勤前の朝食(だったらすごいよね)というよりも、
「やっと店が終わって腹減ったから帰る前に腹ごしらえしてんだ文句あるか」
といった感じ(今日もバカな客相手にして疲れてんだよ)。

人目を気にする風でもなく、むしろ堂々とカップラーメンを食べる彼女を見て
今の自分に何が足りないのかを改めて実感した気がする。

ところで、東京はそろそろ桜が見ごろを迎えるころだ。
僕の地元新潟にも桜の名所がいくつかあるのだが
上越市にある高田公園はライトアップされた夜桜が有名で
日本3大夜桜のひとつに数えられている。

この公園は、徳川家康の六男の松平忠輝が福島城を廃し、
高田城を建築したことからはじまったとされている。

明治以降、この城地が当時の陸軍駐屯地として使用されることとなり、
大規模な工事が行われた。その際に旧城地の半分は堀の埋め戻しなどが行われたが
残りの半分には堀や土塁の一部が残され、公園として整備されて現在に至っている。
桜は陸軍が入城する際に植栽され、旧陸軍駐屯地は現在自衛隊高田駐屯地となっている。

この公園(堀)の周りには中学校、高校がいくつかあり、
僕が通っていた高校もそのなかのひとつである。
桜は堀に沿って植えられており、春は桜並木が通学路となる。

新潟の場合だと、開花が東京よりも遅いため、だいたい入学式あたりで
3分〜5分咲きくらいでその1週間後くらいが満開になる。
(少し早いと入学式前後で満開となる)

いろんな意味で新しい気持ちになれる4月に桜を鑑賞しながら通学できるのは
なかなか悪くないもので、これは東京では味わうことのできない
醍醐味であると思う(昔は東京ももう少し開花が遅かったらしいけれど)。

土曜日なんかは部活が終わると完全に花見モードで
露店に立ち寄って焼きそばを食べたりジュースを飲みながらダベっていたが、
今振り返るとこういう時間て貴重だったのだなあ、とつくづく思う。
(サラリーマンや大学生のグダグダした花見とは明らかに違いますよね)
(さらに地方の小都市というロケーションもまた青臭い雰囲気を増長してよい)

東京に出てきてからはこの時期に地元へ帰ることがほとんどなくなったので
高田公園の満開の桜はもう10年以上見ていない。
隅田川も上野公園も千鳥が淵もよいけれど、やっぱり地元の桜って
何か少しだけ違ったものがありますね。

ところで朝の彼女はお花見するならどこへ行くのかな。